汎用コントローラ(RCP)の選定方法

先日、あるお客様に「どのような仕様の汎用コントローラを購入すれば良いですか?」
と聞かれたのですが、答えとしては「やりたいことによる」です。

この回答だと漠然としているので、
選定するにあたり、どのような要求(性能)を明確にしておけば良いか、以下で解説していきます。


ポイント

ポイントは多数あるのですが、まずは大きなところは以下の3点です。

① 使用環境、運用条件

 使用する場所によって求められる性能が大きく異なります。

 居室(事務所)だけの使用だとあまり考慮しなくても良いのですが
 例えば、エンジンルームに設置する、恒温槽で実験する、寒冷地でフリート走行する場合などは、
 温度(耐熱)や振動などを気にする必要があります。

 その他に、防水(水滴、結露)、設置スペース、気圧(高地)などもケアする必要があります。

② 制御周期

 CPU性能には限界があるため、制御ロジックが周期内で演算することができるのか、
 確認する必要があります。

 そのため、あらかじめ制御周期とモデル規模感を明確にしておきますしょう。

 この確認を曖昧にすると、購入しても使いものにならないケースが出てきます。
 ただ、正確に判断するためには、汎用コントローラのCPU性能だけを調べても分かりません。

 すでに社内で実績があったり、ロジック規模が比較的小さいものなら大丈夫ですが、
 新規の場合は事前に評価機を貸してもらって、試しに自分たちの制御を動かすことを勧めします。

③ HWの入出力仕様

 「一般的なIOがあればよいです」と言う方がたまにいますが、
 業界やドメインによってIO仕様が異なります。自動車業界でもさまざな入出力仕様があります。

 例えば、パワトレ系では電流計測が求められたり、高速サンプリングADCが求めらたりします。

 特に、そういった高機能がオプション機能になっていたりするため、
 入出力仕様を事前に明確にしておいたほうがよいです。

 その他にも、
 Flash領域があるのか、電源仕様(AC100V or DC12V)、設置スペースの問題(放熱処理)、
 ソフトのライセンス形態など、気にする点は多々あります。

補足:価格帯

価格幅でいうと、ツールベンダーやスペックによって非常に幅があります。

業界全体を見ていると、数十~1000万ぐらいかと思います。
一応、上限を1000万としていますが、システムが大規模になれば上限を超えていきます。


また、ツールベンダーによって得意分野があるため、各社で価格帯も異なります。


さらに、ツールベンダーを選定しても製品ラインナップやオプションが多数ある場合が多く、
購入先だけ決めても、一概に価格を言えないところになります。

ツールベンダーに相談する前に

新規で相談する場合、
やりたいことを整理しつつ、上記3点を明確にしていきましょう。
また、システム図などがあるとベストです。

あとは、ツールベンダーと打合せすれば、
色々と質問がくるので、回答していけばよいかと思います。

※新規購入&実績なしの場合に、メールだけで進めるのは認識のズレが発生するため、やめましょう。

打合せを1~2回すれば、
概ねやりたいことができる製品を提案して頂けるかと思います。

ただ、より正確なものを購入したい場合は、
知見を持っている方に一度相談することをお勧めします。